イチョウの最初の植物的な記述は、ケンペルの『廻国奇観Amoenitatum exoticarum』(1712年)にあるGinkgo,Itsjo である。「銀杏、イチョウ」の意である。Ginkjo とすべきところを誤植によりGinkgoとなったという。しかしリンネは『Mantissa plantarum II』(1771年)にこれを引用し、Ginkgo を属名とした。Ginkgo は誤植によるから Ginkyo とすべきであるとも主張され(たとえば、Pulle(1946年)、Widder(1948年))、植物命名規則73条には誤植その他は訂正すべき旨が記されており、ケンペルの原著ではすべてのyはiを用いているから Ginkjo とすべきであることになる。しかし、Ginkgo が長年、用いられて続けている。